複式学級学習指導資料

本ページは、初めて複式学級を担当した先生方にも活用していただけるよう、複式学級についての基礎的な事項や、学校現場で指導に当たっている先生方の優れた実践事例を掲載しております。

各学校におかれましては、県教育委員会の既存資料と合わせて活用いただき、学校や地域の実態に合った特色ある教育実践の推進と学習指導の改善・充実に努められるよう期待しております。

【新着情報】画像をクリックしていただくと、PDFで資料がダウンロードできます。















複式学級について

複式学級について―複式学級の基礎・基本(スライド資料)

  資料 内容 作成
複式学級の現状

【複式学級の現状】【PDF:326kb】
 令和7年5月1日現在の愛媛県の複式学級の現状です。

R7
複式学級の特性を生かした学級経営や学習指導

【複式学級の特性を生かした学級経営と学習指導】【PDF:539kb】
 複式学級の特性を「よさ」と捉え、学級経営や学習指導におけるポイントを紹介します。

R1
複式学級の学習指導の類型

【複式学級の学習指導の類型】【PDF:905kb】
 「学年別指導」や「同単元指導」など、複式学級の学習指導の類型についてまとめました。

R1
直接指導と間接指導

【直接指導と間接指導】【PDF:432kb】
 複式学級の学習指導で大切な視点である「直接指導」と「間接指導」について説明します。

R1
「わたり」と「ずらし」

【「わたり」と「ずらし」】【PDF:833kb】
 複式学級の学習指導で大切な「わたり」と「ずらし」について説明します。

R1


複式学級について―複式学級アドバイス(スライド資料)

  資料 内容 作成
複式学級の授業実践のポイント

【複式学級の授業実践のポイント】【PDF:909kb】
 各学校で複式学級に携わってきた先輩方からのアドバイスです。

R2
複式学級のQ&A

【複式学級のQ&A】【PDF:718kb】
 複式学級担当者の疑問に対する先輩方のアドバイスを紹介します。

R2


複式学級について―テキスト資料

  資料 内容
へき地等学校と複式学級(PDF:173kb) へき地等学校と複式学級について/複式学級の編成と本県の現状/複式学級の特性を生かした学級経営と学習指導
初めての複式学級(PDF:21kb) 入門期の指導について
指導計画の作成と学習指導の工夫(PDF:13kb) 学習指導の類型/学年別指導と同単元指導/指導計画作成上の留意点/学習指導の工夫
直接指導と間接指導(PDF:19kb) 「わたり」と「ずらし」について

実践事例・アイデア集

【実践事例・アイデア集】では、複式学級における学習指導案や、学習効果を高め効率化を図るワークシート、その他にもICTの活用など、様々な実践事例やアイデアを紹介します。

複式学級学習指導資料 作成委員【PDF:129kb】  

令和6年度

  実践 内容 教科等 学年 作成
間接指導や少人数の学習指導の工夫

【実践アイデア:国語科】【PDF:1441kb】
「間接指導や少人数の学習指導の工夫」
・複式学級や全校での学習における指導の工夫
 複式学級及び全校:国語科の実践より

国語 * R6
複式学級における社会科の指導の工夫

【実践アイデア:社会科】【PDF:6256kb】
「複式学級における社会科の指導の工夫」
・間接指導時に児童が自ら学習を進める授業の工夫
 第3・4学年:社会科の実践より

社会 3・4年 R6

令和5年度

  実践 内容 教科等 学年 作成
算数科における複式指導の工夫

【実践アイデア:算数科】【PDF:3176kb】
「算数科における複式指導の工夫」
・複式学級における間接指導や少人数での学習
 複式学級:算数科の実践より

算数 * R5
学年差に対応した年間指導計画・評価計画の作成

【実践アイデア:家庭科】【PDF:3028kb】
「学年差に対応した年間指導計画・評価計画の作成」
・縦割りAB年度での指導
 第5・6学年:家庭科の実践より

家庭 5・6年 R5
小規模校における話合い活動の工夫

【実践アイデア:特別活動】【PDF:2227kb】
「小規模校における話合い活動の工夫」
・小規模校における全校で取り組む話し合い活動
 全校での実践より

特活 * R5
効果的な技の習得を目指して

【実践アイデア:体育科】【PDF:2571kb】
「効果的な技の習得を目指して」
・体育科における少人数での授業時のポイント
 第5・6学年:体育科の実践より

体育 5・6年 R5

令和4年度

  実践 内容 教科等 学年 作成
発達の段階に応じた活動「性」について知る

【実践アイデア:体育科】【PDF:3501kb】
「発達の段階に応じた活動『性』について知る」
・極小規模校において全校で取り組む保健指導のポイント
 全校での実践より

体育 * R4
「主体的に学ぶ児童」を育てるための工夫

【実践アイデア:算数科】【PDF:1953kb】
「『主体的に学ぶ児童』を育てるための工夫」
・複式学級における間接指導時のポイント
 第2学年:「かけ算」の実践より

算数 2年 R4
意見を伝え合おう~協働学習支援ソフトを使用した実践~

【実践アイデア:国語科】【PDF:1575kb】
「意見を伝え合おう~協働学習支援ソフトを使用した実践~」
・協働学習支援ソフトを使用した他校との交流学習のポイント
 第3学年:「こまを楽しむ」の実践より

国語 3年 R4
ICTを活用しよう~複式学級や少人数学級において~

【実践アイデア:ICTの活用】【PDF:2375kb】
「ICTを活用しよう~複式学級や少人数学級において~」
・各教科におけるICTの効果的な活用例
 複式学級・全校での実践より

* * R4

令和3年度

  実践 内容 教科等 学年 作成
学年相互の交流や学び合いを促す算数科の指導の工夫

【実践アイデア:算数科】【PDF:2657kb】
「学年相互の交流や学び合いを促す算数科の指導の工夫」
・飛び複式学級における対話的な学びを促す指導のポイント
 第1学年「かたちづくり」/第3学年「三角形」の実践より

算数 1・3年 R3
繰り返し活動し表現する生活科の指導の工夫

【実践アイデア:ICTの活用/生活科】【PDF:2661kb】
「繰り返し活動し表現する生活科の指導の工夫」
・交流場面を通して、子供が試行錯誤し意欲的に活動する指導のポイント
 第1・2学年:「つくってあそぼう」の実践より

生活 1・2年 R3
2学年が一緒に学習する特別の教科道徳の指導の工夫

【実践アイデア:特別の教科道徳】【PDF:3083kb】
「2学年が一緒に学習する特別の教科道徳の指導の工夫」
・A・B年度方式の指導計画の作成や指導のポイント
 第1・2学年、第3・4学年、第5・6学年の複式学級での実践より

道徳 * R3
少人数で考えを広げ、深めるICTの活用例

【実践アイデア:ICTの活用】【PDF:2600kb】
「少人数で考えを広げ、深めるICTの活用例」
・1人1台端末で学習活動の充実を図る活用例
 複式学級・全校での実践より

* * R3

令和2年度

  実践 内容 教科等 学年 作成
複式学級における1人1台端末の活用

【実践アイデア:ICTの活用】【PDF:1366kb】
「複式学級における1人1台端末の活用」
・授業等における1人1台端末の様々な活用例

* 2・3年 R2
Web会議システムを活用した授業の進め方

【実践アイデア:ICTの活用/国語科】【PDF:2128kb】
「Web会議システムを活用した授業の進め方」
・相手校と連携して進める遠隔授業実践のポイント
 第2学年:「あったらいいな、こんなもの」の実践より

国語 2年 R2
1・2年生複式学級年度当初のポイント

【実践アイデア:年度当初】【PDF:2400kb】
「1・2年生複式学級年度当初のポイント」
・複式学級スタート時における工夫やポイント

* 1・2年 R2
ガイド学習を取り入れた間接指導の工夫

【実践アイデア:国語科】【PDF:1956kb】
「ガイド学習を取り入れた間接指導の工夫」
・間接指導において子供が自分たちで学習を進めるポイント
 第2・3学年:国語科の実践より

国語 2・3年 R2

令和元年度

  実践 内容 教科等 学年 作成
ICTを活用した授業づくり

【実践アイデア:ICTの活用】【PDF:2572kb】
「ICTを活用した授業づくり」
・算数科の授業におけるICT活用のポイント
 第5学年:「平行四辺形」/第6学年:「反比例」

算数 5・6年 R1
バランスよく直接指導・間接指導を行う工夫

【実践アイデア:国語科】【PDF:1865kb】
「バランスよく直接指導・間接指導を行う工夫」
 第1学年:「どうぶつの赤ちゃん」/第2学年:「おにごっこ」
 (※平成28年度実践事例改訂版)

国語 1・2年 R1
異学年の交流を生かした授業展開の工夫

【実践アイデア:国語科】【PDF:2362kb】
「異学年での交流を生かした授業展開の工夫」
・複式学級内の異学年の交流の在り方について
 第5・6学年:国語科の実践/書写の実践より

国語 5・6年 R1
学校間の交流を生かした授業展開の工夫

【実践アイデア:国語科】【PDF:2385kb】
「学校間の交流を生かした授業展開の工夫」
・学校間の交流の工夫について
 第5・6学年:国語科の実践/書写の実践より

国語 5・6年 R1

平成30年度

  実践内容 教科等 学年 作成

【学習指導案・実践:算数科】【PDF:504kb】
~複式学級において、子どもたちが意欲的に学習に取り組むための指導方法の工夫~
 第3学年:「かくれた数はいくつ」/第4学年:「何倍でしょう」

算数 3・4年 H30

【学習指導案・実践:国語科】【PDF:479kb】
第5学年:言葉をよりすぐって俳句を作ろう「日常を十七音で」/第6学年:言葉を選んで、短歌を作ろう「たのしみは」

国語 5・6年 H30

平成29年度

  実践内容 教科等 学年 作成

【学習指導案・実践:算数科】【PDF:228kb】/成果と課題【PDF:612kb】
第5学年:「人文字」/第6学年:「およその形と大きさ」

算数 5・6年 H29

【実践アイデア:ICT活用】【PDF:118kb】
複式学級におけるタブレットの活用例

H29

平成28年度

  実践内容 教科等 学年 作成

【学習指導案・実践:国語科】【PDF:559kb】
第1学年:「どうぶつの赤ちゃん」/第2学年:「おにごっこ」

国語 1・2年 H28

【学習指導案・実践:算数科】【PDF:510kb】
第1学年:「たしざん(2)」/第2学年:「かけ算(1)」

算数 1・2年 H28

【学習指導案・実践:国語科】【PDF:835kb】
第1学年:「きいてしらせよう」/第2学年:「あったらいいな、こんなもの」

国語 1・2年 H28

【学習指導案・実践:体育科】【PDF:548kb】
第1、2、3学年:「体ほぐしの運動」(体つくり運動領域)

体育 1~3年 H28

【実践アイデア:教材・教具の工夫】【PDF:262kb】
全校一斉朝ドリル

H28

【実践アイデア:ICTの活用/交流学習】【PDF:317kb】
近隣校との交流学習の実践~ICT機器の利用~

1・2年 H28

【実践アイデア:スタートカリキュラム】【PDF:256kb】
第1学年の入学当初の指導について

H28

平成27年度

  実践内容 教科等 学年 作成

【学習指導案・実践:算数科】【PDF:634kb】
~児童が主体的に学ぶ学習指導の工夫~
 第1学年:「おおきさくらべ(1)」/第2学年:「かさ」

算数 1・2年 H27

【学習指導案・実践:国語科】【PDF:563kb】
~主体的に学ぶ児童を育てる指導の工夫~
 第3学年:「すがたをかえる大豆」/第4学年:「アップとルーズで伝える」

国語 3・4年 H27

【学習指導案・実践:算数科】【PDF:779kb】
~直接指導と間接指導の工夫~
 第1学年:「3つのかずのけいさん」/第2学年:「ふえたりへったり」

算数 1・2年 H27

【学習指導案・実践:国語科】【PDF:882kb】
~一人学級を含む複式学級での学習指導の工夫~
 第4学年:「ごんぎつね」/第5学年:「大造じいさんとガン」

国語 4・5年 H27

【アイデア実践:算数科/主体的な学び】【PDF:148kb】
中学年算数科におけるガイド学習の例
 第3学年:「たし算とひき算の筆算」/第4学年:「式と計算の順じょ」

算数 3・4年 H27

【アイデア実践:特別活動】【PDF:230kb】
少人数で行う委員会活動の工夫 ~一人一人が活躍する委員会活動~

特活 3~6年 H27

【アイデア実践:環境】【PDF:175kb】
空き教室を活用した児童の活動

H27

【アイデア実践:算数科/ICT活用】【PDF:232kb】
算数科におけるICT機器の効果的な活用~学び合いの場の充実のために~
 第1学年:「いろいろなかたち」/第2学年:「かけ算」

算数 1・2年 H27

平成26年度

  実践内容 教科等 学年 作成

【実践・全体計画:総合的な学習の時間】【PDF:1998kb】
表現力の育成を目指して

総合 3~6年 H26

【学習指導案・実践:算数科】【PDF:744kb】
~間接指導を充実させるための手立ての工夫~
 第1学年:「ひきざん(1)」/第2学年:「1000までの数」

算数 1・2年 H26

【学習指導案・実践:国語科】【PDF:279kb】
~TTで支援する小グループでの話合い活動~
 第5学年:「ゆるやかにつながるインターネット」/第6学年:「言葉は動く」

国語 5・6年 H26

【学習指導案・実践:社会科/ICTの活用】【PDF:269kb】
~タブレットPC(デジタル教科書)の利点を利用した社会科の指導~
 第5学年:「工業生産と貿易」/第6学年:「世界に歩み出した日本」

社会 5・6年 H26

【アイデア実践:表現力の育成】【PDF:327kb】
豊かに表現する力の育成~「みんななかよし集会」の実践より~

特活 H26

【アイデア実践:学習の基礎・基本】【PDF:333kb】
進んで学習する習慣を身に付ける自主学習ノート

H26

【アイデア実践:特別活動】【PDF:142kb】
少人数・異学年でできる運動会の演技種目

特活 H26

【アイデア実践:総合的な学習の時間/地域学習】【PDF:217kb】
地域の伝統を受け継ぐ総合的な学習の時間の工夫~地域の方々との交流を通して~

総合 H26

平成25年度

  実践内容 教科等 学年 作成

【学習指導案・実践:算数科】【PDF:804kb】
 ~複式指導・少人数学級の利点を生かした算数科の指導~
 第3学年:「一億までの数」/第4学年:「一億をこえる数」

算数 3・4年 H25

【学習指導案・実践:算数科】【PDF:449kb】
~児童の主体的な取組・学年間の直接指導のバランスを意識して~
 第3学年:「ひき算の筆算」/第4学年:「計算のきまり」

算数 3・4年 H25

【学習指導案・実践:国語科】【PDF:598kb】
~一人一人が自ら学び、生き生きと活動する児童の育成~
 第5学年:「わらぐつの中の神様」/第6学年:「海の命」

国語 5・6年 H25

【学習指導案・実践:国語科】【PDF:1212kb】
~「読むこと」領域の指導~(同単元類似内容指導)
 第5学年:「大造じいさんとガン」/第6学年:「やまなし/イーハトーヴの夢」

国語 5・6年 H25

【アイデア実践:算数科/主体的な学び】【PDF:70kb】
学び方を身に付ける自力学習とリーダー学習
 第4学年:「2けたでわるわり算の筆算」

算数 4年 H25

【アイデア実践:特別活動/表現力の育成】【PDF:142kb】
少人数でも盛り上がるゲーム集会(自分の思いや考えを表現しよう)

特活 H25

【アイデア実践:地域学習】【PDF:258kb】
地域の方々との交流~ハッピープロジェクト活動を通して~

H25

平成24年度

  実践内容 教科等 学年 作成

【学習指導案・実践:生活科/地域学習】【PDF:660kb】
~地域力を生かした学習活動の工夫~(同単元同内容指導)

生活 1・2年 H24

【学習指導案・実践:算数科】【PDF:152kb】
~間接指導における自主的・主体的な活動の充実~
 第1学年:「たすのかな ひくのかな」/第2学年:「よみとる算数」

算数 1・2年 H24

【学習指導案・実践:国語科】【PDF:565kb】
~同単元・同内容による「読むこと」の領域の実践~
 第3・4学年:「一つの花」

国語 3・4年 H24

【学習指導案・実践:算数科】【PDF:500kb】
~進んで学ぶ児童を育てる間接指導の工夫~
 第3学年:「あまりのあるわり算」/第4学年:「2けたでわるわり算の筆算」

算数 3・4年 H24

【アイデア実践:学習の基礎・基本】【PDF:350kb】
間接指導における効果的な自己評価カード(学習ふりかえりカード)の活用法

算数 H24

【アイデア実践:算数科/主体的な学び】【PDF:392kb】
ガイド学習・リーダー学習のマニュアル~低学年・算数科~

算数 1・2年 H24

【アイデア実践:国語科/主体的な学び】【PDF:882kb】
児童に見通しをもたせる学習の手順の例~国語科での取組~

国語 3・4年 H24

【アイデア実践:学習の基礎・基本/表現力の育成】【PDF:550kb】
思考力・判断力・表現力を問う記述式評価問題(キラリチャレンジテストの活用)
 ※キラリチャレンジテストの詳しい内容は、「愛媛学びの森」に掲載しています。

H24

複式学級指導用語集

あ行

異程度指導

 1単位時間の指導過程において、上・下学年に対し、同じ単元(題材・教材)を指導していくとき、学年差を明らかにした指導のことをいう。教材は学年段階に応じて、系統性、適時性を踏まえて配列されているものである。したがって、取り扱う教材が学年ごとに異なる場合は、それだけで異程度といえる。しかし、上・下学年が同一の教材を用いる場合でも、それぞれの学年に示されている指導事項を明確にして授業を構成するときは、学年別の指導場面や個別指導の場面が必要となり異程度指導の過程が考えられる。

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異内容指導

 同単元指導計画の1つの類型であり、同単元異教材(異内容)指導による指導計画である。同単元であるが、上・下学年それぞれの目標を達成できるよう、内容や程度をかえて編成した指導計画で、学年差を強く考慮し、系統性をもった内容を学年別に2年繰り返す計画であるため、「繰り返し案」とも呼んでいる。

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か行

学年別指導

 学級を構成している上・下学年の子どもに対して、学年ごとの教科書、あるいは指導事項に沿った教材を指導する指導方式で、次の場合に用いる。
 ① 同教材指導が困難な系統性の強い教科(算数科、国語科の言語教材、説明文教材など)
 ② 子どもの発達段階を重視した教材
 ③ 子どもの転出入が予想されており、教材の重なりや落ちが心配される場合など。

 次の2つの類型がある。
 ① 異教科の組合せ
 ② 同教科、異単元の組合せ

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学年差と能力差

 複式学級において、同一の学級集団を構成する上位学年と下位学年との間に見られる、心理的・身体的発達段階と学習経験の多少、学習期間の長短に起因する差異をいう。学年差を「学習経験差」ともいう。
 複式学級では学年差と共に能力差(個人差)ということが問題になるが、能力差は学年の枠と関係なく、学級集団構成員の個々の児童間に見られる学習結果の定着度、技能の習熟度などの差をいう。

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学習の手引き

 子どもが自ら進んで学習に取り組めるようにするためには、子どもが学習の手順を理解し、学習に見通しをもてるようにすることが大切である。「学習の手引き」を活用することで、間接指導の充実を図ることができる。
 「学習の手引き」には、次のようなものがある。
 ○ 単元の学習の進め方を示したもの。
 ○ 単元の学習場面における学習内容を具体的に示したもの。
 ○ 実際の学習場面での学習方法を例示したもの。
   具体的には、ワークシート、学習プリント、ドリル、辞書など。

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間接指導

 学年別指導において、それぞれの学年の児童生徒に異なる内容を指導するので、一方の学年に指導している(直接指導)間は、もう一方の学年は、自主的に自分たちの学習を進めていくこと。

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完全一本案

 2個学年の指導計画内容を1年間で指導できるように教材を精選して単元を構成し、これを2年間繰り返し指導する計画である。ただし、これは指導上の問題点が多く、無理な計画である。

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ガイド学習

 間接指導の効率化を高めるために考えられた小集団学習の一形態で、子ども集団から選ばれたガイドが、教師の指導のもとに立てた学習進行計画によってリードしながら、共同で学習する学習方法のこと。

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協業化

 それぞれの地域には、共通あるいは類似の教育課題がある。それを、「地域課題」と呼び、その解決にふさわしい組織を確立し、共同または協働で諸実践に当たってきている。これを、「教育協業化」と呼んでいる。
 ―協業化の類型化―
 〔指導計画・様式〕
  ① 指導計画
   〇 教育課程(基底)編成
   〇 教科計画の作成
   〇 地域教材化計画等
  ② 指導様式
   〇 指導資料作成
   〇 学習資料作成
 〔教育実践〕
  ① 同一校内
   〇 協力的な指導組織(TT)
   〇 縦割り指導
   〇 合同授業
   〇 全校活動(ノン・グレード)
  ② 複数校で
   〇 集合指導
   〇 交流学習

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交流学習

 学校規模や生活環境の異なる学校(へき地の小規模校と都市の大規模校など)が姉妹校的な関係を結び、それぞれの学校で経験できない学習を行うこと。交歓学習や合同学習などを通して生活体験を広め、学習意欲の向上及び社会性の伸長を図るとともに、積極的な活力ある人間性を育成することをねらいとするものである。近年では、インターネットやマルチメディアを導入した交流を積極的に展開している学校が多くなってきている。

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合同学習(合同授業)

 極小規模校において、2個学年の子どもが1つの教室で教育活動することはへき地性の解消にはならない。このため、1つの学校内において学級の枠を超えて、3個学年以上を一緒にして授業を行い、集団の中で考えを練り合わせ、思考力・表現力を伸ばす努力がなされる。1つの学校内で3個学年以上の子どもが一緒に学習する形態をいう。

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極小規模校

 全校児童生徒が10名程度以下、教員数が3名程度の学校を極小規模校と呼んでいる。学級経営において留意すべき点としては、
 ① 学級内で指導できるものと学級の枠をはずして指導すべきことを見極める。
 ② 「待つ」ことに徹する。
 ③ 教師も学習者になる。

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さ行

山村留学

 1~2年間長期にわたってその地域で生活し、地元の学校に正式に編入学する制度である。方法としては、地域の「里親」と子どもの保護者が契約して預かってもらい、地元の学校へ通学させる方式が採られている。

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シート学習

 ペーパー・ワークシートによる学習で、間接指導時の補助的な学習資料と考えられていたシートを授業の中核的な学習資料として、直接・間接指導を問わず活用するようになり、広くシンクロシート、OHPシートによる学習も意味するようになっている。

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集合学習(集合指導)

 近隣の複式学級の子どもを一か所に集めて各領域の指導計画の一部について学習をする。普段より多い人数で学習できるので、集団の中での練り合いなどが行いやすい。体育科のボールゲームなどでよく取り入れられている。集団で学習する関係学校の教師の協力教授組織(T・T)を充実させる必要がある。事前の綿密な打ち合わせが不可欠である。

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指導過程の四段階

 「指導過程」は1時間の授業の流れである。かつては、「導入・展開・整理」といわれていた。しかし、これは授業を外側から形式的に見ている。そこで、複式形態の授業を進める際の流し方から四段階が考えられていった。四段階は2個学年が複式で学習する場合、教師が両学年に平等に指導を加えていくために好都合であったからである。  四段階とは、
 ① 課題設定 
 ② 解決努力 
 ③ 定着 
 ④ 習熟・応用・評価・発展 である。

 指導過程の問題となれば、
 ① 各指導段階と指導内容の密着
 ② 発問内容の重み付け
 ③ 指導上の留意点の明確化
 ④ 学習活動への連続的自己診断への配慮 等が望まれる。

小規模校

 「小学校・中学校の学級数は、12学級以上18学級以下を標準とする。ただし、…。」(学校教育法施行規則 第17条 第55条)としている。このことから、11学級以下の小中学校を「小規模校」として扱っている。しかし、普通6学級以下の小中学校をいう場合が多い。

ずらし

 2個学年を交互に渡り歩いて直接指導と間接指導の内容を充実させ、学習活動を無理なく効率的に行うようにするには、どうしても指導段階を学年別に「ずらした組合せ」が必要になる。この組合せを「ずらし」という。

折衷案

 この案は、完全一本案、二本案、あるいはその他の要素を組み合わせて立てられる計画であって、これを「折衷案」または「混合案」と呼んでいる。例えば、教材の中で系統性や学年の差がそれほど大きくないものは、A、Bの2年度にわたって、「同内容・同程度指導(AB年度方式)」を行い、系統性や学年の差の明確な教材は「学年別の指導」を行うという計画案の立て方である。この折衷案は、教科の特性、内容の系統性・重要性、あるいは、児童の実態などから検討して、それぞれの指導計画のもつ特性を生かした組合せを考えて計画を立案し、学習効果を高めることをねらったものである。

全習

 集合学習において、2校以上の児童生徒が共同で行う学習活動のこと。

た行

縦割り

 二本案の場合、2個学年の学習内容を2年間にわたって別々に配列して指導計画を立てる方法である。例えば、5、6年複式において、第1年次は両学年とも第5学年の学習内容を、第2年次は第6学年の学習内容を指導するような指導計画を作成する方法である。

back

同単元指導

 複式学級の教科指導で展開されてきた学年別指導の問題点を補うために実践化されてきたもの。この指導方法の特徴は、同一時間内に複数学年の子どもが同じ単元(題材・主題など)を用いて同じような学習活動を行うこと。

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同単元指導一本案

 学級を構成している上学年と下学年が、それぞれの学年の指導目標を達成できるように、教科の同じ領域や分野の教材をできるだけ学年ごとに同じ指導時間に対応させて配列する。2年間を単位とした関連ある教材によって上学年と下学年が同じような学習を展開する指導計画のこと。

back

同単元指導二本案

 学級を構成している上学年と下学年の教材を併せて、A年度(第1年次)、B年度(第2年次)に平均して分けて、指導内容の順序性や系統性などを考慮し、2つの1年間単位の指導計画にする。年度ごとに教材が入れ替わることになり、いずれの年度においても上学年と下学年が同時に目標あるいは共通目標のもとで同じ教材で学習活動を展開する指導であり、2年間を単位にして学習が完結するように年間指導計画を作成する。(同内容・同程度で教材を構成、年度(AB年度))ごとに教材が変わる。)

back

ティーム・ティーチング

 子どもを必要に応じて、さまざまな能力別編成に組織して、能力差に応じた教育効果を高めようとするために複数の教師がティームを組んで協力的に指導を進めようとする指導方式。教育内容・方法に応じた大集団的・小集団など子どもの組織に対応したきめ細やかな学習指導をねらったものである。

back

同程度指導

 1単位時間の指導過程において、上下学年に対して同単元(題材・教材)を指導していくとき、取り扱う教材が同じで、しかも学年差をあまり考慮しない同一の学習活動を展開する指導をいう。上学年と下学年の能力差がほとんどない状態の場合や系統性・順次性のあまり厳しくない単元によく行われる。

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同内容指導

 1単位時間の指導過程において、上下学年に対し同単元(題材・教材)を指導していくとき、取り扱う教材が上下学年ともに同一である場合の指導をいう。同じ教材を用い、同じ指導の観点を設定して授業を組み立てたとしても上下学年それぞれの指導事項を生かす場面を設定するなどの試みも提唱強調されてきている。従って、教材の展開過程のどこかに学年別の学習活動を位置付けたり、特に個別指導に対する配慮も明らかにすることが大切である。

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な行

二本案

 上下学年の学習指導内容を第1年次、第2年次(A・B年次)に配分し、第1・第2年次ともに両学年を同時に、同教材(同内容)で指導する指導計画。指導内容を両学年に配分する場合、「縦割り」と「横割り」がある。

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は行

ひとり学習

 児童生徒一人一人が、課題を解決するのに読んだり、調べたり、観察したり、計算したり、操作したりしながら、自らの能力を出しきって結果を生み出す学習や、習得した知識・技能を活用して、新たな課題を解決していく学習を「ひとり学習」という。小規模校にあっては、1学年1名しかいなかったり、2名いても能力差があまりにも大きく、一人で学習するしかない実態も出てきている。個別学習は、グループ学習や一斉学習の形態との関連で考えられているのに対し、一人で学習するしかない場合を「個人学習」と呼ぶ場合がある。この個人学習の場合でも、思考の練り合わせなど集団的な学習方法を生み出す必要があり、今後の課題である。

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複式学級

 複式学級とは「児童生徒数が少ないため1学年の児童生徒だけで学級を編制できない場合に、同一学級に2個学年を収容して編制する学級」をいう。(学校教育法施行規則第19条)・(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律第3条)

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複式学級編制基準

 愛媛県の場合、編制基準は(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律第3条)に準拠しており、「小学校は、引き続く2の学年の児童数の合計が16人以下の場合1学級編制とする。ただし、第1学年の児童を含む学級にあっては8人以下を1学級編制とする」。「中学校では、8人以下は1学級編制とする。」ことになっている。

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複線型指導過程

 単式の授業は、同一学年を対象として、同一の指導目標の到達を目指して展開されるのが普通である。その場合の指導過程は、直接指導によって単線的になされていく。
 それに比べて、複式の授業は、2個学年以上を対象とし、特に異題材、異程度指導をする場合になると、指導目標が複数の設定になり、学年を交互にわたり歩いて、直接指導を行っていかざるを得ない。この特殊な複式授業の展開は、児童生徒の学習の筋道が、複数になっていることに特徴があり、その過程が複線的に進行することからこの用語が生まれた。
 視点としては、次の5点が挙げられる。
 ① 各学年の指導目標が行動目標としてかみくだかれ、到達度の評価が具体的・客観的にできるような設定の仕方を考える。
 ② 直接指導と間接指導のねらいを、目標到達のためのステップとして、目標の実現ができるような位置付けの工夫をする。
 ③ 児童・生徒が主体的に学べるだけの意欲や学習技能の向上を図るよう工夫する。
 ④ 教育機器や学習資料、教材教具等による学習方法を機能的に位置付ける。どんな場面でどのように利用すれば、どんな反応を引き起こせるかを実践的に明らかにしていく。
 ⑤ 話し合い学習を、深まりのあるものにしていく指導の在り方を考える。

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ふるさと学習(郷土学習)

 ふるさと(郷土)の自然・歴史・伝統・文化・産業などの教育環境を学校の教育計画に生かし、ふるさと(郷土)に対する理解を深めさせるとともに、ふるさと(郷土)への愛着心を育成することを目指した、学校・家庭・地域社会が一体となって推進する教育活動のこと。

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分習

 集合学習において、効果をあげるために各学校で行われる事前事後の学習活動のこと。

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ペア学習

 直接指導または間接指導時に話し合いが行き詰まったり、正誤の判断が必要になり、簡単な話し合いをさせることにより、問題解決やストップした授業の打開のために適当だというときに行う2人グループの学習形態である。ねらいは、小集団学習のねらいと同じで、コミュニケーションの重視を前提にした次の3点が挙げられる。
 ① 他人と協力して、問題に取り組む態度が育てられる。
 ② 共同による思考や作業の習慣が身に付く。
 ③ 対人行動の広がり、他人の考えの尊重と自己の確立ができる。

 ペア学習が効果的に行われるためには、目標を明確につかませること、各人に説明の場を与えること、対話の仕方、ノートのとり方、時間のかけ方などについて、徹底した指導を行うことが大切である。

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へき地学校

 へき地学校については、「へき地教育振興法」(昭和29年制定)で、「交通条件及び自然的、経済的、文化的諸条件に恵まれない山間地、離島その他の地域に所在する公立の小学校及び中学校並びに学校給食法第5条の2に規定する施設(共同調理場)」と定義されている。

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へき地学校等の指定

 へき地学校の指定は、1級から5級までの級別がある。(へき地教育振興法施行規則第3条)これらの級地の指定は、算定された「基準点数」と「付加点数」の合計点数に応じて定められており、5級地が最もへき地度が高くなっている。また、点数が1級に満たない学校では、これに近学校に対して「準へき地」(へき地教育振興法施行規則第3条2項)「特別地」などの指定がなされている。

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へき地教育の三特性

 「へき地教育」は、「へき地の指定を受けた学校における教育」としてとらえられており、「へき地性」「小規模性」「複式形態」の三特性があると言われている。

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へき地の六特性

 「へき地性」を規定する条件については、次の6点がその条件として挙げられている。
 ① 自然的悪条件
 ② へき遠性
 ③ 文化的沈滞性
 ④ 教育的低調性
 ⑤ 社会的封鎖性
 ⑥ 経済的貧困性

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ま行

見守り型支援

 複式の授業では、これまで多くの場合、教師が学年の間を移動する「わたり」が行われるものとされ、間接指導の中で子どもたちがいかに主体的に学習できるようになるかという方向で研究がなされてきた。この考え方を更に進め、教師が、両学年の児童が自分たちの力で主体的に学習を進めるのを同時に見守りながら支援していく授業形態のこと。

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無学年指導(全校○○)

 極小規模校において、各個人の能力を重視し、子ども一人一人の可能性を最大限に伸ばすことができるように、学年の枠を外して学習段階ごとに個人に応じた指導を実施する学習形態。体育・音楽などの指導時に多く活用される。

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や行

横割り

二本案の場合、領域・分野の中で系統性を考慮して、2個学年の学習内容を混合、配列して指導計画を立てる方法である。

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ら行

両学年同時間接指導

 複式学級においては、間接指導を充実するために、例えば、児童一人一人に的確な対応をするため両学年を「小わたり」して両学年の学習状況を見取るようにする。また、両学年が解決努力の段階で、両方の学年の児童一人一人の学習状況を見取るようにすること。

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類似内容指導

 同じ教科の学習において、上下学年に類似した内容を扱い指導するもの。この指導類型においては、共通の指導場面を設定することにより、複式学級に一体感が生まれ学習意欲が高まるなどの効果がある。

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わ行

わたり

 学習指導では、直接指導と間接指導のバランスを取りながら、学習の成立を図らなければならない。教師は、その場合、直接指導と間接指導の組合せの計画にしたがって、ある学年から他の学年へ、交互に移動して直接的な指導をしていくことになる。この両学年交互に移動して指導していく教師の働きを「わたり」という。また、間接指導の方にも、時々目を配りながら指導を進める場合もあり、これを「小わたり」といっている。

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愛媛県教育委員会事務局管理部

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